Googleの「呼吸エクササイズ」は、バブルの動きに合わせて1分間深呼吸を繰り返すだけの、シンプルなプログラムです。
初めて見た人は、「何?これ?」と思うかもしれません。
ですが、この「呼吸エクササイズ」を深堀りすると、Googleの健康への深い取り組みが見えてきます。
Googleでは2007年から、マインドフルネスに基づく社員研修プログラムを導入しており、社員のストレス軽減や生産性向上に一定の効果を上げています。
本記事では、「呼吸エクササイズ」を通して、Googleの健康への取り組み、マインドフルネスの効果についてご紹介します。
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Google 呼吸エクササイズの使い方
Google 呼吸エクササイズは至ってシンプル。
1分間、画面に表示されるバブルに合わせて深呼吸するだけです。
早速トライしてみましょう。
検索窓に「Google 呼吸エクササイズ」と入力。
または、下のリンクをクリックすると呼吸エクササイズがにジャンプします。
スマホでChromeなどGoogleのブラウザを開き、「Google 呼吸エクササイズ」で検索。
すると、検索画面トップにエクササイズが表示されます。
後は、バブルの伸縮に合わせて深呼吸するだけ。
1分間で血行が良くなり、気分もリフレッシュ!
Googleが呼吸エクササイズを作った理由を予想
1分間の呼吸エクササイズはどんな効果があるのでしょうか?
また、どのような理念や目的で作られたのでしょうか?
作った理由を予想、深堀してみると、ヨガから派生した瞑想の世界、マインドフルネスが見えてきます。
Google内ではヨガを取り入れる人が多い
ここに一冊の著書をご紹介します。
著者であるゴーピ・カイラル(Gopi Kallayil)氏は、Googleのブランドマーケティング部門に所属するチーフエバンジェリスト(Evangelist)。
Googleの社内にヨガを広めた人物でもあります。
著書の中で、ゴーピ・カイラル氏は心をリセットし、ヨガを通して集中力を高めることの重要性を解説しています。
インド出身の彼がGoogleの会議室でヨガ教室を開いたとき、生徒はたったひとりだけだったそう。
ですが、彼が熱意を持って取り組んだ結果、多くの社員がヨガ教室を訪れるようになり、やがて全米史上最大、世界第3位の大規模なヨガイベントを開催するまでになったのだそうです。
Googleでは、なぜそれほどまでに多くの社員がヨガを求めるのでしょうか?
答えは、ヨガそして「マインドフルネス」の効果にあるようです。
マインドフルネスとは?
ヨガのレッスンの中には、呼吸を整え瞑想行うマインドフルネスがあります。
マインドフルネスとは、今、この瞬間に意識を集中し、自身の思考や感情をありのままに観察する。
自身のインナーワールドに意識を向け、外の世界と自由なつながりを持つこととされています。
こう言うと難しく聞こえますが、仏教の瞑想から宗教色を排除したものと言えば、分かりやすいかも知れません。
ヨガとマインドフルネスの効果は?
- ストレス軽減
- 集中力回復
- 高血圧改善
- 血糖値やコレステロールの上昇を抑える
- 認知機能向上
- 免疫力向上
こうしたヨガやマインドフルネスの効果は、近年科学的にも実証されつつあります。
著者のゴーピ・カイラル氏は、こうしたヨガやマインドフルネスの効果を良く知りながらも、忙しさのあまりなかなか実践できなかったそう。
そこで考えたのが1分間ヨガと1分間瞑想。
忙しい仕事の合間をぬって、1分間だけヨガとヨガの呼吸をする。
次に1分間だけ瞑想をする。
外からの刺激を遮断し、自分と向き合うこのたった1分間の習慣が彼を大きくかえたのだとか。
Googleの「呼吸エクササイズ」は、そんな彼の経験や理念、そしてマインドフルネスを広めたいという思いから生まれたのかも知れません。
googleの社内研修にはマインドフルネスが積極的に取り入れられている
Googleでは、社内研修にマインドフルネスをベースにした「サーチ・インサイド・ユアセルフ(SIY)」というプログラムを積極的に取り入れています。
「サーチ・インサイド・ユアセルフ(SIY)」とは?
Googleが開発したプログラムで、マインドフルネスをベースに、自己認識力やリーダーシップを向上させることを目的としています。
当初、Googleがエンジニアの福利厚生として導入したプログラムですが、現在ではその効果が注目を集め、多くの企業が導入しています。
著者のチャディー・メン・タン氏は、Google初期のエンジニアであり、マインドフルネスをベースにした「サーチ・インサイド・ユアセルフ(SIY)」プログラムの創始者でもあります。
「サーチ・インサイド・ユアセルフ(SIY)」の効果は?
- ストレス軽減
- 生産性向上
- 人間関係改善
- リーダーシップの発揮
マインドフルネスとは、自身のインナーワールドにチェックインし、アウターワールドと自由につながる瞑想の時間。
脳が活性化し、心の安らぎが得られます。
脳が活性化することで、仕事の生産性を向上させ、創造的な思考を高め、難しい問題に直面しても、優れた解決策を見出せると言います。
また、マインドフルネスは医療の世界にも取り入れられ、大きな成果を上げています。
医療の中で特筆すべきなのは、マインドフルネスストレス低減法(MBSR)でしょう。
マインドフルネスストレス低減法(MBSR)とは?
マサチューセッツ大学医学大学院教授ジョン・カバットジン博士が開発した、プログラムです。
これは、慢性的な痛みを抱える患者さんに対して、瞑想やヨガなど仏教の叡智を取り入れたストレス低減法。
このプログラムでは、今この瞬間に意識を向け、自身の思考や感情を観察するという、より深い心の状態を育むことを目指します。
慢性的な痛みだけでなく、ストレス、不安、うつなどの様々な心の問題を抱える人々に効果があることが証明されています。
ジョン・カバットジン博士が、マインドフルネスストレス低減法についてGoogleで行ったセミナー映像がありますので、こちらも是非ご覧ください。
日本語字幕付きで、分かりやすく解説されています。
ジョン・カバットジン博士のGoogleでのセミナー映像
Googleの呼吸エクササイズまとめ
Googleの「呼吸エクササイズ」。
Chromeの隠し機能のようなこの機能、深堀すると更に深い瞑想の世界が見えてきました。
以下に記事をまとめます。
- 呼吸エクササイズにはマインドフルネスの理念が隠されている。
- Googleの内では、ヨガを取り入れる人が多い。
- ヨガの効果は
- ストレス軽減
- 集中力回復
- 高血圧改善
- 血糖値やコレステロールの上昇を抑える
- 認知機能向上
- 免疫力向上
- ヨガの効果は
- googleの社内研修にはマインドフルネスが積極的に取り入れられている。
- マインドフルネス(サーチ・インサイド・ユアセルフ)の効果は
- ストレス軽減
- 生産性向上
- 人間関係改善
- リーダーシップの発揮
- マインドフルネス(サーチ・インサイド・ユアセルフ)の効果は
- マインドフルネスは医療の世界にも取り入れられている。
- 慢性的な痛み、ストレス、不安、うつなどの様々な心の問題を抱える人々に効果がある。
仏教に起源を持つマインドフルネスが、アメリカの会社に取り入れられ、効果を上げているのは驚きでしたね。
自由で創造的な発想を大切にするGoogleだからこそできたのかも知れません。
あなたも、仕事や勉強に疲れたら、1分間の呼吸法、マインドフルネスを試してみてはいかがでしょうか?